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2010年5月27日 (木)

サービスのツボ

色々だらしないワタシではあるが、時間にだけは几帳面だ。特に独立してからは、依頼いただいた仕事に遅れてはならぬと、電車の乗り継ぎなどはかなり余裕を持つことにしている。待ち時間はDやCなどのコーヒーショップで過ごすことが多い。

で、某駅付近のDでのこと。不定期ではあるが良く利用する。カウンターの男性が、ワタシの顔を見るなりぶっきらぼうに「アイスティーですね」と言うようになっていた。(ワタシは猫舌、半端な時間ではホットコーヒーは飲めない)  

男性は30代半ば他業種からの転職組だと想像する。一生懸命なのだがサービスがぎこちない、残念なことに笑顔が下手で人あしらいが下手なのだ。

ときどきやって来るオバサンの顔も注文も覚えたのなら、いきなり「アイスティーですね」ではなく、にっこりしてから「おはようございます」だの「いい天気ですね」だの「いつもありがとうございます」なんて付け加えればいいのになぁと思っていた。

昨日、またアイスティーって先を越されるんだろうなと、Dへ行くと、やはり彼がカウンターに立っていて同じセリフを言ってくれた。違っていたのは飲み物を渡すとき「実は来月から異動になりました。これまでありがとうございました。店はこれまでどおり営業しますから、引き続きご利用くださいね」と話しかけてくれた。「まあそうなの残念だわ、ワタシのこと覚えてくださっていてありがとう。次のお店でも頑張ってね」と言うと、とても良い顔で「ありがとうございます!」と答えてくれた。

店の奥でアイスティーをすすっていると、顔や姿は見えないが常連客であろう方々に同じように挨拶をしている。お客さんも「あらま~そう」「頑張ってください」などなど返答をしていた。

そんなに良い笑顔が出来るんじゃないの。なぜ今まで出さなかった?もったいない。

ここからはワタシの妄想。事務系の仕事から転職した彼は慣れぬ仕事を悶々とこなしていた。「オレはコーヒー屋なんかやりたくてやってるんじゃない」  でも続けるうちに、よくやって来る客の顔や好みがわかるようになった。いちいちマニュアルどおりに「ご注文は・・・」とやらなくても、こっちから聞いて上げたほうがお客は喜ぶのでは?    やってみたものの、始めたばかりの接客業、表情態度が伴わない・・・

異動の辞令が出た。勤勉なサラリーマンだった彼は、前職でも顧客に異動のご挨拶をしていたから、Dでも常連客に律儀に挨拶をしたのだろう。

お客の温かな反応を見て、彼は初めてお客との本当の交流が出来たのではないのだろうか?まじめな彼だもの、サービスのコツのようなものを掴んだのでは?

次の店をのぞいてみたくなっている。

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