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2013年9月 7日 (土)

これも人生

まだまだ暑いので、つい移動にはタクシーに乗ってしまう。

「タクシーを始めたのは2年前なんですけどね」
ほら始まったね~運転手さんの身の上話。
こっちは「聴く」のが仕事だから、よくこのパターンになることが多い。

昨日の運転手さんの身の上話は実に面白かった。
年齢は42歳。キビキビと礼儀正しい男性。

誰でも知っている企業の社員だった彼は、企業内ベンチャーの立ち上げに立候補、若くしてその社長になる。事業は驚くほど順調に成果を上げ、利益を生み出した。かなりの報酬を得て突如退社。はっきり金額は言わなかったけれど、サラリーマンの生涯年収を超えた金額を手にしたようだ。
退社後は悠々自適、妻と二人で遊んで暮らして8年。国内外に旅行に出かけ、おいしいものを食べ、楽しいことを一杯やったそうだ。そして2年前、いよいよお金が底をついたのでタクシーで働きだしたというわけ。

運転手「バカでしょ僕。お金ぜーんぶ使っちゃった。そんでタクシーやってるわけ」
ワタシ「でも、楽しい8年間だったんでしょ?良かったじゃない」
運「えーっ!良かったって言ってくださったのはお客さんが初めてですよ」
ワ「だって自分で稼いだお金を自分で使っただけじゃない。誰にも迷惑かけてないよ。ワタシには話さないけど、自分だけでキャバクラや競馬もやっちゃたんでしょうが、大方は奥さんも一緒に楽しめたんだし。良い人生じゃないの」
運「そうですかー、この話すると決まって、計画性が無いだの、もったいないだの、お客さんから説教されるんだもん」
ワ「あはは!まっとうな人はそう言うわな。でも使っちまったんだから今さら言ってもしょうがない。命があるんだし、健康なんだから、これから地味に働いても、また一旗上げても、何でも出来るわよ。まだまだ人生楽しめる」
運「うれしいなぁ、そう言っていただけると。こんな僕でも希望が持てる」
ワ「遊びも堪能しただろうから、ちょっと働きなよ。長い人生、お楽しみはこれからよ~」

そんなことを話すうちに目的地に到着。

彼が地味な人生を送るのか、またひと花咲かせるのか?ちょっと見てみたい気がした。

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